アルテミスは、ギリシャ神話に登場する狩猟や出産に関わる女神です。
オリンポス12神の一柱で、森・野生動物・純潔・若い女性の守護とも深く結びついています。
美しく気高い女神ですが、怒ると非常に厳しい一面も持っています。
また「月の女神」としても有名です。
この記事では、アルテミスの、家系図・特徴・性格・双子の兄アポロン・有名エピソード・ちょっとマニアックな情報まで初心者にもわかりやすく図解も交えて解説します。

ギリシャ神話のアルテミスの手描きイラスト画像。アポロンと双子の女神アルテミスを象徴の弓矢と、森で狩りをしているイメージで描きました。
アルテミスの基本情報のプロフィール 自立した「処女神」の素顔
アルテミスの基本プロフィール表
| 名前(ギリシア語) | アルテミス(Αρτέμη) |
| 英語名 | ダイアナ |
| ラテン語名 | ディアナ |
| 何の神? | ・狩猟の神 ・出産の神 ・弓矢の神 ・月の神 |
| 父母 | 父:ゼウス 母:レト |
| 兄弟姉妹 | 兄弟:アポロン(双子) |
| 配偶者 | なし |
| 子供 | なし |
| 象徴・トリビュート | 弓矢、鹿、熊、糸杉 |
アルテミスの基本情報 どんな神か
アルテミスの特徴 女性の純潔を守り、生粋の男嫌い
アルテミスは、ギリシャ神話における狩猟の女神であり、山野を駆ける野生的で自立した存在です。
双子の兄アポロンと並んでよく知られ、特に女性の純潔を守る女神として有名です。
男性との恋愛に結びつくことは少なく、父ゼウスの正妻ヘラに母レトが出産を妨害されたことで、産まれた時から処女神を望んだほど、男嫌いです。
自分の領域や仲間を汚されることを強く嫌う女神として描かれます。
また、野生動物を守る一方で狩りの女神でもあり、自然の優しさと厳しさの両方をあわせ持つのが特徴です。
後世に月の女神セレネと同一視され、月の女神として語られることも多く、神秘的で凛としたイメージを持つ女神として人気があります。

アルテミスの特徴を表した図解イラスト。アルテミスの役割や性格を図解で二面性としてわかりやすく整理しました。
アルテミスの能力や性格・特徴
アルテミスの能力や性格、特徴として以下が挙げられます。
アルテミスの有名エピソード アポロンとの絆の話
アルテミスの有名エピソードもご紹介します。
アルテミスで有名な話は「湖で沐浴中、アクタイオンに偶然裸を見られたことを怒り、彼を鹿に変えた」という話です。
この話はアルテミスが裸なので、絵画でも人気でよく描かれてます。
今回は、それとは別の有名エピソードをご紹介します。かなり怖い話です(汗)
ニオベという子宝に恵まれた人間の女性がいました。
ある時ニオベは、自分の子どもの多さを誇って、レトを「アポロンとアルテミスしか子供がいない」と名指しで見下しました。
これに怒ったアルテミスとアポロンは、母レトの名誉を守るため、ニオベの子どもたちを全員射殺したとされます。
これによりニオベは悲しみのあまり石になり、涙を流し続けてるそうです。
アポロンとアルテミスは意外と2人の話は多くないですが、この話は兄妹の強い結びつきが表れた物語です。

アルテミスの家系図や恋人など
父母や双子の兄弟アポロンとの関係など 妹?それとも姉?
アルテミスの家族関係についても解説してみます。
アルテミスの両親は、父はゼウス、母はティタン神族の女神レトです。
レトは、ティタン12神のコイオスとボイペの娘です。
兄弟は、双子として有名なアポロンです。
アルテミスは妹といわれていますが、姉という方が近いです。
出産の順番としては、アルテミスが1日先に生まれてます。
アルテミスは生まれてすぐ、母レトの出産を助けたそうです。なのでアルテミスは「出産を守護する」神格もあります。
なぜ先に生まれたアルテミスが、一般的に妹扱いかというと、アポロンの方が権威があると考えられていた影響があるようです。
また男性社会の影響もあったようです。
アルテミスの夫、子供は?オリオンとの恋愛関係
アルテミスには、一般的に夫はいません。
ギリシャ神話では純潔を誓った処女神とされており、結婚や出産をする女神としては描かれていません。
そのため、子どもがいるという有名な神話も基本的にはありません。
恋愛関係についても、はっきりした結婚神話はなく、狩人オリオンとの恋人関係がよく知られています。
オリオンがアルテミスに近づき、2人は仲良くなりますが、アポロンが警戒してアルテミスをけしかけ、間接的にオリオンを射殺させました。
人気ゲーム「FGO」にも出た話です。アポロンにシスコン臭がする話でもあります。
ただし、これは神話によって「親しい仲」「好意があった」「単なる狩り仲間」など解釈に幅があります。
アルテミスは恋愛よりも、狩猟・自然・純潔を重んじる女神として理解するのが基本です。
ちょっとマニアックなアルテミスの情報 意外と弱い?最高神の妻ヘラとのエピソード
ちょっとマニアックな情報もご紹介します。
「アルテミスが、女神ヘラにシバかれたことがある」というエピソードです!
ヘラは最高神ゼウスの正妻で、王妃的存在です。
アルテミスは弓矢の神であり、アポロンと双子なだけあって能力が高い女神です。
ですが、他のオリンポス十二神の女神たちに比べるとやや若輩というか、妹分な印象です。
特に王妃であるヘラにはやはり敵わないんだなと感じるエピソードです。
アルテミスが女神ヘラから攻撃を受けたエピソードは、ホメロスの叙事詩「イリアス」二十一巻に記されています。
トロイア戦争の最中、神々がそれぞれ味方する陣営に分かれて直接対決した一場面でのことです。
アポロンをなじったアルテミスの言葉に怒ったヘラが、アルテミスの両手首を掴み、弓矢をひったくって、笑いながら何度も打ったそうです。
打たれたアルテミスは、オリンポスに逃げ帰って、ゼウスに泣きついたそうです。
ヘラ様、強い……!!
アルテミスもけっこう怖い一面がある女神ですが、そのアルテミスをシバき倒す。そしてゼウスの元に逃げ帰って、泣きつくアルテミスに萌えるのは私だけ?

私もヘラ様には敵わないの…
★ギリシャ神話についての全体的な概要はこちらに詳しく書いてます。
まとめ ここだけは覚えておくといいポイント
まとめとして、最低限ここだけは覚えておくといいポイントは。
・アルテミスは狩猟や出産に関わる女神。若い女性(処女)の守護もする。
月の女神として一般的に有名なのは、後世に月の女神セレネと同一視された影響から。
・母レトの出産を王妃である女神ヘラに妨害されたことから、産まれて間もなく処女神を望んだ。
男嫌いの女神。狩りが好きで、森をニンフたちと駆け巡る活発で男勝りな性格。
また怒ると怖い面もある。
・アポロンは双子の兄弟。この二柱の話は少ないが、二柱で母のために復讐したり、英雄オリオンと仲良くなった際、アポロンが止めるなど結びつきを窺える。
★おまけ アルテミスクイズ
Q ニオベという女性が、アルテミスとアポロンの怒りを買い、子供たちを皆殺しにされた理由は何ですか?
A アポロンとアルテミスが主催する祭儀への出席を拒否したから
B 処女神のアルテミスに対し、結婚の幸福を誇示して挑発したから
C 自分の子供の多さを自慢し、二人の母であるレトを見下したから
正解はこちら
参考文献
神統記 ヘシオドス 廣川洋一訳 (岩波文庫)
変身物語 オウイディウス 中村善也訳 (岩波文庫)
ギリシア・ローマ神話辞典 高津春繁著 (岩波書店)
一冊でまるごとわかるギリシア神話 吉田敦彦著 (だいわ文庫)
古代ギリシャのリアル 藤村シシン著 (実業之日本社)
神々を知ればもっと面白いギリシア神話の教科書 東ゆみこ著 (ナツメ社)
イリアス ホメロス 松平千秋訳 (岩波文庫)



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